「統っ威ッ…」

好きな人の

胸の中…

暖かかった。


この香りも

全部大好きだった。


「ごめん…今だけ許して…。」


少しの間

時が止まったように

感じた。


あなたの腕を

離したくないと

思った。


でも…

私達は

もう離れないと

上手くやって

行けないと思うから。


「統威…」

「…うん…」

統威が

私を離した。

「じゃあバイバイ。」

「…っ恵梨香!
俺こそ今までありがとう。」


その一言で

雫が溢れた。


そして

私は

歩き出した。


振り向かない。

振り向いちゃいけない。
そう自分に言い聞かせて。