「統威さ…私が泣いてても追いかけてくれなかったよね…

観羅野さんが泣いてると傍に寄り添うのに

彼女の私が泣いてても、寄り添ってくれないんだね。」



「もう…いいよ…ごめん、統威…」

「…………」

「さよなら…しようか」
「っ!…」

「私ね

統威の事大好きだったよ。

本当に好きだった。

だけど、好きだけじゃ
お互いの想いは

通じないんだって

わかった。」

「…………」

「そして

今の理由聞いて

統威の優しい性格が

伝わったから

もうこの事は許すね。
でも…あなたは…本当に優しいんだね。

そんな統威を

好きになって

本当に良かった。」

「今まで ありがとう。
観羅野さんと

幸せになってね。

本当にそう願ってるからね。

大切にしてあげて。

彼女を救ってあげて。
それが出来るのは

あなただけだから。」

「…恵梨香………」

「そんな顔しないでよ…」



統威の切ない顔

どんな小さな事でも

愛おしかった。



「じゃあバイバイ。」

「…恵梨香…俺…っ」

「何も言わないで。

私の優しさだと思って
このままさよならして欲しい。」

「…っ…わかった」

「バイバイ。」


私は泣きそうに

なったので

急ごうとした。


そのとき

統威が

私の腕を

引いた。


そして

抱きしめられた。