―もう行けばいいの?― 低い、声。 「そ~、よろしくっす~」 私は、乾いた涙のことを思い出しながら、明るい声を出した。 ―分かった、気を付けて帰れよ。― 「私って美少女だからね、襲われちゃうかもね~、心配?」 何ておどけると、電話の向こうから ―お前紫雨さんに比べたらブスだろ― 何ていう呆れた声が聞こえてきた。 「え~、ひどっ。 ともかくちゃんと、おっさん処理してよ!じゃあねん。」