それが一年も続いた。


そして


人間が完璧に信じられなくなったある事件が起こった。



あたしには将希【ショウキ】と言う兄がいた。


将兄ィは毎晩暴力を受けていた。


あたしも、将兄ィも限界だった。


だから


あたし達はあの家から逃げ出した。


あたし達は逃げられた瞬間


その開放感に溺れた。


これから何をする?

何処に行く?

将兄ィが入るところなら何処でも!

そんな小さな願いも望みも、


あいつの手によって砕かれた。


将兄ィとあたしの背後には死ねと叫びナイフを振りかざす母がいた。




そして、


先に殺されるはずのあたしをかばい




将兄ィがその銀色に光るナイフで刺されたのだった…