『お母さん聞いて!』
『んー?なによ、二人して。如何したの?』
『僕達ね!』
『『結婚するの!』』
『あら、小さな新婚さん達ね。』
『私、そーちゃん大好き!』
『僕も、なぎ大好き!』
『何時までも仲良くしているのよ?』
『うん!ずっと、一緒だよ!』
『ずーっと!』




あれから何年経ったのだろう。
たまに見るこの夢は、何時か見なくなってしまうのだろうか。
幼い二人の夢を見るたびに、胸が締め付けられる様になったのは
何時からだっただろうか。
「そーちゃん、」
私達は16歳になりました。


「なーぎー!」
「んん、そーちゃん朝からうるさい。」
「御前が起きないからだろ?また遅刻すんじゃん!」
「分かった分かった。」
「ったく朝弱過ぎ。俺外で待ってるから。」
「はーい。」

私は上野渚、皆はなぎさ、って呼ぶけれど
幼馴染のそーちゃんだけ私をなぎ、と呼ぶ。

そーちゃん
小林蒼空、皆はそら、って呼ぶけれど
私だけそーちゃん、と呼んでいる。

幼い頃から二人で保育園、小学校と登校していた私達は
家も近く、一人では危ないから
といった理由で未だ高校に入っても一緒に登校している。
学力は殆ど同レベル。
案の定同じ高校へと入学したのだ。


私は支度を済ませ玄関の扉を握る
「いってきます!」


また君色の一日が始まるのです。