「………どういう意味だよ」


「分かんねーの?お前は昔からほんとに鈍感だよな。知らないうちに傷ついてるやつがいるのに気づいてないんだな」



………これってもしかして…。

千夏ちゃんのこと………?



「何の話だよ。そんなことより…」

「そんなことじゃねえよ!!!」



順也くんは大声を上げた。

水原くんはかなり驚いた顔をしている。




「ずっとお前のこと想い続けてるやつがいるのに、なんで気付いてやれねえんだよ!中学卒業するとき『頼む』って言ったの忘れたのか!?しかもその友達と付き合うなんてどれだけ無神経なんだよ!!」



順也くんは本気で怒っている…。

でも水原くんは、まだ理由が理解できてないみたいだ。



「…なんだよそれ。一体誰のこと……」

「千夏だよ!!!」



…やっぱり、思った通りだった。

千夏ちゃんは水原くんのことが好きだったんだ………。