「………順也がそんなこと言ったの?ほんとに?」


全部話し終わると、水原くんはびっくりした顔をしている。



「うん、ほんとだよ……」

「なんであいつがそんなこと……」



千夏ちゃんのことは伏せて話したから、水原くんは順也くんがなぜそんなことを言ったのか理解できない、という感じだった。



「雪川さん、順也の電話番号知ってるよね?俺に教えて」

「え、どうするの?」

「電話かけて問いただす」

「ええ!?」


順也くんに電話かけるの!?

そんなことしたら喧嘩になるんじゃ……


「おいおい、いま電話かけて喧嘩しねーだろーな…」

西野くんも喧嘩しないか心配してるみたいだ。


「わかんない。するかもな」

「するなよ!」

「だってまず理由聞かないと分かんないだろ。それに理由がなんだとしても雪川さんに失礼なこと言ったんだから黙ってられないよ」



水原くん、そう言ってくれるのは嬉しいんだけど…嬉しいんだけど………。


わたしのせいで友達ともめるのは……。




どうしようと思っていると、理香ちゃんに耳打ちされた。


「水原くんに順也くんの電話番号教えなよ。話しちゃった以上、水原くんだってこのままじゃ気が済まないだろうし、電話かけて話せば順也くんがそんなこと言ってきた本当の理由が分かるかもよ。もしかしたら千夏のことは関係ないかもしれないじゃん」



…そっか。

たしかに、これで順也くんが水原くんと別れろって言ってきた理由がはっきりするかもしれない。



「じゃあ…」

わたしは順也くんの電話番号が書いてあったメールを水原くんに見せた。