「…何?」


未だ筆は動きを止めない。


けれど、その表情は明らかに今までとは違うものだった。


長らく付き合ってきた作品が出来上がった喜びと、
もうこの絵に手をつけることはなくなるんだという消失感とが、
水彩絵具のように重なり合ったような表情。