外に出た。

私達の姿を見てクスッと笑った。

「何あれ?津野さんひどくない???」と萌ちゃんが珍しく怒っている。

私はわけがわからなかった。何も言えなかった。

すると、裕弥も出てきて私たちの方を津野さんが一瞬見て

裕弥の唇に津野さんの唇がついた。

うそ………。

ほんと一瞬のことだったけど私にはスローモーションみたいに長く感じた。

そして手をつないでその店をあとにした。

「ちょっと、花。あれほっといていいの?」と心配そうに私をみた。

「いいよ。裕弥、私のこと好きじゃなかったんだよ。」と言って

私はミスドに向かった。

せっかくおごってくれたドーナツもなんも味がなくて

ただ悲しかった。

その姿を見た萌ちゃんが「気にしなくていいよ。まだ、浮気ってわかったわけじゃないし」

とドーナツを食べながら優しく励ましてくれた。

家に帰ると一通のメールがきていた。

裕弥ー。

「今日は一緒に帰れなくてゴメン。でも、明日どっかよって帰らない?」と

短い文章だった。

そんな。文章でも、返信する気にもなれなかった。

次の日ー。

下を向きながら歩いている私に「花!」と声をかけてきたのは

裕弥だった。

「昨日なんで返信してくれなかったんだよ?」

「ゴメン。昨日家帰ったらすぐに寝ちゃったんだ。」と言ってその場を去った。

「おっい、花。待ってて」と大きな声を出しながら私の声を呼んでくれる裕弥にも

見向きもできなかった。

すると、「あ、花。」と声をかけてきたのは津野さんだった。

「ちょっと、お話いいかな」と声をかけてきたので少ししゃべった。

「昨日のことですよね?」

「うん。ほんとにゴメンね。」と真剣に謝る津野さん。

「べつに気にしないけど。」

「なら。よかった。夢乃、昨日裕弥くんからある話を聞いちゃって」

「ある話?」

「裕弥くん。正直、言うと花といるのつまんないだって」

胸に突き刺さった痛い言葉。

「だから、夢乃が昨日一緒にいたの。一緒にいて楽しいっていってくれた。

だから、夢乃達昨日から付き合ってるんだ」と頬を赤くしていう。

「そっか。。じゃあ、私別れればいい?」というと

「そうしてくれると夢乃は、ありがたいかな。」と言ってどっかに行ってしまった。

じゃあ、別れるよ。

いやいやで私は裕弥に別れを告げた。

なんで私より津野さんなの?

なんでキスなんかしたの?

なんで手をつないだの?