1歩1歩踏みしめながら戻る。


次にオレがここにくるのは何日後か、何年後か、何十年後か、わからないけど、待っててくれな?


オレのわがままでごめん。


でもやらなきゃいけないことがある気がするから戻るよ。


オレのいるべきところへ。


千夏はたぶん泣いてた。


でも笑顔だったと思う。


オレは千夏に背を向けていたから本当はどうだったかわからなかったけど、たぶんそうだと思う。


これも勘だけどな。


「うん。約束だよ!絶対迎えにきてね!!バイバイ!…涼。」


千夏はそう言ってくれた。


ありがとう、千夏。


これでお前を迎えにいくまでがんばれるよ。





今度はあまり距離を歩いてないのに、先に光が見えてきた。


とても優しい光だ。


たぶんあれが出口なんだろう。


オレは光のほうへ全力で走った。


そしてその光の中に飛び込んだ。