ごめんな、千夏。


オレの足動かねぇよ。


いろんなとこ連れてってやれなくなっちまった。


千夏…。


「千夏!」


「えっ。何?どうしたの?!千夏ちゃんがどうかした?!」


「…え?」


「『え?』って今千夏ちゃんの名前大きな声でいきなり言うから。びっくりしたじゃない。」


どうやらオレは声に出して言ってしまったらしい。


「ごめん、母さん。ちょっと千夏が心配で、頭から離れなくてさ。」


自分の悩みなんかどうでもいい。


千夏が無事なことだけを祈っていたい。


頼む!


カミサマ!


オレの足の代わりに千夏を無事に助けてやっててくれ!


約束だぞ。


居もしないカミサマにまでオレは千夏の無事を祈っていた。