「送ってく…」


と離した手をまた握られ


「手、離して
私、彼氏いるし…」

「あ、わりぃ」


気まずそうな顔をして手を離す
そして黙って歩き出した

私は彼の顔を見れなかった…


「自分の分出すから」


レジに着いて
2人分の会計を出そうとする彼に


「俺、出すから」

「いや、いいから」


同じやりとりを繰り返して
さすがに店員さんも困っていたので
黙って払ってもらう事にした


「ありがとう」

「別に」


再び黙って駅の方に歩き出す


切符も黙って2人分買ってきた


今さら会いたくなかった
もう私は過去の人だから…