「みなさんはやく着替えてくださいね!練習の時間になっちゃいますよっ!」
と持ち前の可愛い声と女の子らしい仕草を加えて部員に話しかける小春ちゃんは女子力が高すぎてあたしなんかとは正反対だった。
そしてそんな小春ちゃんの言葉に部員は光の速さで着替えて外に飛び出していった。
そんな部員らに呆れながらあたしは脱ぎ散らかった服をきちんと畳んでいたら後ろから聞きなれた声が聞こえた。
「悪ぃ!遅れた!」
あたしの幼なじみ、三森颯汰が息を切らして部室の入口の前に立っていた。
ハァとあたしはため息をついて、いつものように遅れてくる颯汰に説教をする。
「颯汰…あのさぁ…」
毎度のことに呆れながらも颯汰の元へ近づくと颯汰は目の前に両手を合わせ、
「悪ぃって!先生に怒られてさー」
と謝った。
「嘘。本当は告白されてて遅くなった。」
「はは、結衣にはいっつもバレる」
と笑いながら颯汰は着替えに入った。
あたしは遅れてきた颯汰を置いて部室をでた。