いつからだろう…

あたしの方が昔は身長高くてチビだった颯汰に身長を抜かされたのは…。


そしてこんなにもたくましくなってて、男らしい颯汰…


急にドキドキと胸が高鳴るあたし。



え?
何この心臓の音…。


ドクン、ドクン


鳴り止まない心臓音にあたしはどうしていいか分からなかった。

ただ目の前にいる颯汰に目が釘付けになっている。
どうしよう。苦しい。


急に胸が苦しくなる。
別に具合が悪いとかじゃない。


ただ颯汰を見ていると今まで颯汰を見ている感情と全く違う感情が出てくる。


今までと違う、何かが。







「……結衣?」


「え?」


いきなり呼びかけられびっくりした。
どうやらさっきからずっと颯汰を見つめていたらしい。


「え、あ、ごめん!」

慌てて颯汰の傍から離れる。

「いや、別に…。何か俺の顔についてたか?」

と聞く颯汰の顔もまともに見れない。
ただ心臓の音は鳴り止まなくて。

どうしていいのかわからない。


顔が熱くなってきた。
やばい、もう耐えられない。



気づくとあたしは走っていた。
颯汰を無視して家に飛んで帰ってしまった。


家に帰り自分の部屋に戻るなりあたしは考えていた。

なんで颯汰を見るとこんなにも苦しいの?
今までこんな風に感じたことなかった…。




考えるほど訳がわからなくなってあたしはそのままベッドにダイブしてた。


もうどうにでもなっちゃえ!


きっと、
明日になったらこんな気持ち消えてるよ…



そう自分に言い聞かせてあたしは意識を手放した。