モテると大変なんだなって事がよく分かった。


あたしはモテた事ないしよく分かんないけど。




颯汰、大丈夫かな。



毎日毎日女子に告白されて…
それに今日はビンタまで。


疲れてないのかな？？


部活に支障が出たりとかしないよね…？



これでもあたしは颯汰のことを知ってるつもり。長い間一緒に居た仲だから。


颯汰の性格だって颯汰の誕生日だって好きな食べ物だって何だってそこらへんにいる女子よりは詳しい。


その優越感があたしにはちょっぴり嬉しくて、でも告白されてる颯汰を見るとOKするのかな、しないのかなって不安になっちゃう。


どうしてだろう。


何でこんなにも考えちゃうんだろう。

最近になって颯汰の事考える時間が多くなってきた。



ヤキモチって莉緒が言ってた。

ヤキモチって何なの？
よくわかんないよ。






部活後、あたしは颯汰を待っていた。
着替え終わった颯汰は何故かサッカーボールを持っていて不思議に思っていると、

「結衣、やろうぜサッカー」


そう言った。



「……え？」



「だってお前最近サッカーやってるとこ見てないしあんまりやらねーと鈍っちゃうぜ？」



颯汰のバカ。



「うるさい！あたしだって最近サッカーやってないけどた、たまにやってるもん！」


なんて言い返しちゃうけど本当は嬉しくて。


「あの場所まで勝負な！」

「あ、ちょっ！待ってよ！」


あの場所へと走り出す颯汰をあたしは慌てて走り追いかけた。