それからお昼も終わって午後の授業が始まった。


いつもの日常。



午後の授業が終わったらあたしは急いで部室へと向かう。
グラウンドへと歩いていたら途中で颯汰と会った。


「お、結衣」
「颯汰！」

タッタッと駆け寄ると少し身長の高い颯汰を見上げる。

「え、颯汰その顔…」

颯汰の顔はいかにも女子にビンタされたであろう跡がくっきりと残っていて赤かった。

「ハハ、なんか分かんねーけど今までフッてきた女達にビンタされちまってさ」

そうやって笑う颯汰だけどその表情はいかにも作り笑顔で少し疲れていた。


「……颯汰」

「だいじょーぶだって！さぁてサッカーやろーっと」


そうやって言い張った颯汰はそのまま部室へと入っていってしまった。


「意地っ張り…」

ボソッとあたしは呟くと、後ろからあたしを呼ぶ声が聞こえた。

振り返るとそこには小春ちゃんの姿。


「あ、小春ちゃん」

「……」

「どうしたの？」

無言のまま俯いている小春ちゃんに聞いてみるとハッとして慌てて

「ううん！なんでもない！さ、行こー」

と行ってあたしの背中を押した。

「う、うん」





なんだろう…

小春ちゃん何だか切ない表情だったけど…。