「それは、ターニングポイントだと思うよ」


前の席の男友達がこっちに体を向けて言った。コーヒー牛乳のパックをちうちう吸っている。校則違反だぞ、それ。


「ターニング…?」

「お前ら、幼馴染みなんしょ?」


男友達は教室の反対側にいるあいつを見た。チャラけた連中とバカ笑いをしている。

確かに、あいつと僕は家が近所で、通った保育園も、小学校も、現在在学中の中学校も一緒だ。それを幼馴染みと言うのなら、全く反論の余地はない。でも、だからなんだ。もう中学生なんだ、幼馴染みだから一緒に学校に行くとか、幼馴染みだから待ってないといけないとか、そんなの決まってないし、ダサいったらない。

あいつと目が合った。今度は僕の逸らす番。なんだか虫の居所が悪い。何が、幼馴染みだ。

そんな僕に男友達は笑いかけた。何がおかしい。何がおかしい。


「まあ、お前らが一番わかってることだろうよ」

「何が?」

「ターニングポイント」


だから、ターニング…何?何が言いたい。何もわかってないよ。僕、なんのことだかさっぱりだよ。