「……最初はグッ!ジャンケンポン!」
こいつが「うあーー!」なんて奇声をあげている内に、僕は自ら荷台に乗車。こいつは振り返って僕を睨む。
「結局、あたしが漕ぐのは変わらないんじゃん」
「ジャンケンなんだから、平等、平等」
ニッと笑うと、こいつは頬を膨らませたから、それを片手で掴むと「ぶっ」なんて空気を吐き出して間抜けな顔を見せるので、つい笑ってしまった。
「もう、早く行くよ!」
今度こそ照れ隠しで声を荒らげるこいつを可愛い、なんて思いながら、僕はその背中に掴まった。
上映、開始だ。
終.
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