紘紀side





たった1人、残された保健室で俺は迷っていた。




「このままで良いのか??」




誰にとは言わず、自分に問う。





このまま夕希との中途半端な関係を続けるのか??




他の男のところに行った夕希を会うたびに抱いて。




俺の前から消えてしまわないように必死に繋ぎ止める行為を幾度も重ねる。




『っあ………紘紀っ………んぁ………。』




抱いてる間、何度も俺の名前を呼ぶ夕希。




その行動はいつだって俺を錯覚させる。




『夕希は俺を好きになってくれてる』




有るはずないんだ。




そんなのありえないんだ。




だって、夕希は…………。




「今だって、千里を想ってる………。」



俺の声は夕希にも、千里にも届かない。