「あっ……………はっ…………んっ………やぁ………。」
あたしの甘い声が空き教室に響く。
「夕希っ…………俺っ………」
確か、この先輩は『佐渡先輩』[sawatari]って人だったよね。
「んぁ……………先輩っ…………あたしもっ………もうっ!!」
そして、あたしと佐渡先輩は同時に果てた。
あたしはすぐに服を着る。
「夕希、ちょっと待って。」
その声が聞こえたと同時に唇を塞がれた。
「んっ!?」
スルッとネクタイをもう一度外された。
「先輩っ…………もう今日はダメです。」
ぐっと力強く先輩の胸を押し返す。
「夕希、俺のものになってよ。」
幾度も言われ続けたこの言葉。
佐渡先輩以外のあたしを抱いてきた人にも言われた。
だけど、あたしはその答えに頷けない。
「先輩、あたしは誰のものにもならない。」
すると…………。
「夕希、誰か好きな人がいるのか??」
佐渡先輩は泣きそうな顔で聞いてきた。
「居ないよ、居たらこんな風に他の人と遊んでないよ。」
あたしはそう言って、佐渡先輩を空き教室に置いて保健室へと向かった。