それから、実紗にメールを送ってあたしは紘紀の運転するバイクに乗った。
「わぁい!!すっごい楽しみ!!」
あたしは紘紀の後ろで洋服を少しだけ掴む。
「そんなのじゃ落ちるぞ。」
「えっ!?落ちたくないっ!!」
すると、紘紀はあたしの腕を掴むと…………。
「もっとガッチリ掴んでろ。」
そう言って、紘紀はあたしの腕を腰にまわさせた。
「本当にこれで落ちないの??」
「夕希がちゃんと掴んでたらな??」
ニヤリと少しだけ意地の悪い笑みを浮かべた。
「うぅ~、でも落ちそうになったら紘紀は助けてくれるでしょ??」
「なんでそう思うの??」
少しだけ紘紀の声が強張った気がする。
「紘紀??」
「あっ…………ゴメン。今の気にしないでっ。」
紘紀はハッと驚いたような顔をすると慌てて答えた。
「紘紀??」
「意味分かんないこと言っちまったよな…………。」
紘紀はあたしと目を合わさない。
「紘紀、こっち向いて。」
「そろそろ行くか。」
「紘紀!!」
あたしの怒鳴り声が周りに響く。
紘紀の顔がゆっくりとあたしの顔を見る。