初めてその言葉を聞いたときは、噂だと何度も言い聞かせて踏ん張っていた。
でも……………。
お昼休みのことだった。
「夕希っ!!!!」
「うわっ!!!!実紗、またいきなり抱きついて来てビックリするじゃん!!!!」
「だって、夕希は抱き心地が良いんだもん。」
「だもんじゃなくて…………どうしたの??」
「今日、一緒にお昼食べよう!!!!」
「あれっ??実紗の彼氏は??」
実紗には彼氏が居て、その彼氏は千里の親友の人。
「今日、龍雅は風邪で休みなの~。」
頬をぷく~っと膨らませる実紗は他の誰よりも可愛い。
「そっか…………でもゴメンね………。」
あたしは実紗に謝った。
「なんで??」
実紗が不思議そうに聞いてくる。
「今日、千里が一緒にお昼食べようって誘ってくれて…………。」
「えっ!?!?あの男が!?!?」
「うん…………初めて誘ってくれた………。」
あたしの顔は自然とニヤけていく。
「うわぁ、そんなにニヤけて………うん!!分かった、いってらっしゃい!!!!」
実紗はあたしの背中をポンッと押して笑顔で見送ってくれた。
だけど、あたしはこの時のことを今でも後悔してる。
もし、あの時…………千里の誘いを断って実紗の誘いを受けていたら………。
あたしは今、こんなに苦しくて傷付くことはなかったと思う。