「うん、懐かしいなぁ~。」





あたしは紘紀の隣に座って少しだけ寄り掛かる。





「夕希、重いな。」





「うわぁ、酷いっ!!」





そう言って、身体を引き離すと。





「嘘だよ、寄り掛かってていいよ。」






「やったぁ!!紘紀って温かいから気持ち良いんだよね!!」






あたしは紘紀のその言葉に乗じて紘紀に寄り掛かった。





「…………頑張れ、俺。」





「ん??何か言った??」




「いや??何も言ってねぇよ??」





「このシャーペン渡すのドキドキしたんだよね、バレないかぁって!!」





「俺は助かったけどな。」





「テスト出来ないところだったもんね。」





「まぁ、それもあるけど。そっちより俺は…………。」





その言葉の先を待ったが一向に聞こえてこない。





「寝ちゃったの??」





あたしが紘紀の顔を覗きこむと…………。





        チュッ





いつの間にか紘紀の顔が近くて、





紘紀の大きな少しだけゴツゴツした手で目を塞がれて、





気が付いたら………………。





あたしの唇には温かくて柔らかいものが触れていた。





長いようで短かったような時間だった。