「それは…………。」
あたしに同情して言ってるの??
コイツ、捨てられたんだな。
しょうがないな、俺が側に居てやるって言えば大丈夫だろうって??
あたしを可哀想だなって思ったから??
あたしは少しだけ言葉を詰まらせる。
「夕希、俺は同情してるからこんなこと言ってるんじゃない。」
「本当に??」
「あぁ、俺はずっと夕希だけを見てきてるんだから当たり前だろ??」
顔を赤くさせながら紘紀はそう言った。
「ずっと見てきた??」
「俺がいつ夕希と会ったか知ってるか??」
あたしが紘紀と会ったのは……………。
「確か入学式だっけ??」
「違うよ、もっと前に会ってる。」
あたしはその言葉にビックリした。
「俺が夕希と会ったのは高校入試の時だよ。」
「そんなに前からあたしは紘紀と会ってたの??」
「まぁ、夕希には忘れられてたみたいだけどな??」
「でも、何でだっけ………あたしと紘紀が知り合ったの………。」
すると、紘紀は鞄からおもむろにシャーペンを出した。
「それ…………。」
「これ、夕希が俺に試験中に壊れたシャーペンの代わりにくれたんだよ。」
「うん…………。」
「思い出した??」
あたしは懐かしくて思わず笑ってしまった。