なら、あたしが千里の側に居るのはおかしい。
もっと他に良い子がいると思う。
あたしは、あたしだけを見てくれる人と過ごせばいい。
「紘紀、もうご飯食べよう??お腹空いちゃった!!」
あたしは紘紀の背中を擦った。
紘紀はゆっくりと身体を起こした。
「…………そうだな、食べるか。」
「心配しないで。大丈夫だから。」
「俺が側に居る。」
紘紀はあたしにご飯を渡しながら言った。
「えっ………。」
その言葉の意味を探るようにあたしは紘紀を見た。
「俺が榊原の代わりに夕希の側に居る。」
「それは出来ないよ。」
あたしはすぐに答えた。
出来るわけがない。
紘紀に『千里』の代わりなんて。
だってね??そんなの両方とも悲しいだけ。
「だって、紘紀は紘紀でしょ??」
紘紀が思っていたことはあたしと同じ。
あたしが千里と付き合っていた時と同じ気持ち。