「……………ん………き………。」
ちょうど目の前にあったドアから少しだけ声がした。
もしかして、ここが寝室なのかな??
そっと音を立てないようにドアを開けると…………。
そこには紘紀が寝ていた。
「紘紀??」
そっと声をかけた。
「………。」
紘紀からは規則正しい寝息しか聞こえてこない。
あたしは静かに近付いて紘紀の寝ているベッドの縁に座った。
「フフッ、可愛い寝顔。」
いつも爽やかな顔をしていて、笑っている紘紀はどこにもいなくて。
ただ、気持ち良さそうに寝ている。
「ふぁ~、眠くなっちゃった。」
一緒に寝ても良いよね??
あたしはそっと座っていた体勢から紘紀の隣に寝っ転がった。
あぁ~……………紘紀って温かいんだなぁ~…………。
段々と下がっていく瞼の奥で…………。
「……………夕希…………ゴメンな………。」
悲しそうに紘紀がそう呟いていたような感じがした……………。