それから、また必死に1日だけでも猛勉強して夕希と同じ高校に行こうとした。




入試では夕希から貰ったシャーペンでテストを受けた。




それから…………俺は無事に夕希と同じ高校に受かった。




高校に入って、入学式の日。




俺は優秀者として壇上に立っている夕希の姿を見ていた。




だけど、夕希と目が合うことは1度もなかった。




夕希は俺の存在に気が付いていなかった。




だけど、いつか気が付いてくれると信じて俺はそのままの状態にしていた。




それが仇となって俺に降りかかった。




夕希はあの『榊原 千里』と付き合い始めた。




学校中の生徒がその意外性に注目していた。




あの優秀者の『夕希』と女好きの『榊原』が付き合ったから。




俺は、榊原が夕希を幸せにしてくれるならこの恋を諦めても良いと思った。




だけど、夕希が榊原と付き合って笑っていたのは数えるほどしか無くて。




泣くことの方が断然、多かった。




そんな時、俺の所に龍雅が来たんだ。




『夕希が好きなら、今の内しかねぇぞ。』




夕希と千里が別れたのを知った。




でも……………正直に言うと。




弱っている夕希にまるで漬け込むかのようで…………。




だけど、やっぱり俺は夕希が好きだから。




榊原が今、彼氏じゃないなら。




少しだけ俺に運があるのかもしれない。




……………榊原は多分、聞かなくても分かる。




アイツの気持ちは分かる。




なんであんなことをしてるのか、どんな想いで今いるのか。




同じ男として、同じ奴を好きになった同士として…………。




だから、宣戦布告だ。




榊原、俺は夕希を悲しませたりしない。




ちゃんと真正面から俺は夕希にも榊原にもぶつかるぞ…………。




お前が少しでも隙を作れば俺は夕希を俺のものにする。




夕希にそろそろ、俺は気持ちを伝えるぞ。










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