「そんなのあたしには関係ないよ。」
そんなの遅い。
もう、今頃全てが遅すぎる。
これ以上、あたしの心を揺らがせないで。
あなたにもっと深く溺れたくはない。
溺れてしまえばまた前に戻ってしまうでしょ??
また遠くで見るだけで、どんな子よりも遠い存在になってしまうんでしょ??
ただ、泣くのを我慢して『好き』とも伝えられなくなってしまうんでしょ??
「実紗、あたし頭痛いから保健室に行くね??」
「あたしも一緒に行こうか??」
「…………大丈夫だよ、それにもう帰っちゃおうと思って。」
「そっか、分かった。」
「ゴメンね??ありがとう。」
あたしは踵を返して、鞄を持って教室を出ようとすると………。
「滝澤さんっ!!!!」
あたしを引きとめたのはさっきの男の子。
「どうしたの??」
「俺も一緒に帰るよ!!!!」
そう言って、急いで帰る準備をしている。
「えっ!?良いよっ!?」
「一緒に帰らせてよ、話したいことがあるんだ。」
「でもっ…………。」
そうあたしが渋っていると………。
「夕希、送ってもらいな??紘紀[kouki]は優しいから。」
「紘紀、夕希ちゃんを襲ったりするなよぉ~!!!!」
「おっ!?襲わねぇよ!?」
「夕希ちゃん、紘紀は大丈夫だよ。」
「………じゃあ、お願いします。」
「よっしゃ!!」
そう言って、紘紀くんはガッツポーズをしている。