教室のドアを開けると……………。
「夕希っ!!!!」
「わっ!?実紗!?」
実紗が抱きついてきた。
「実紗っ!?苦しいっ!?」
実紗の腕はあたしの首を容赦なくギュウギュウと締め付ける。
しかし、あたしの悲痛な声は届かないらしく。
「夕希ぃぃぃぃ!!!!」
更に強い力で締め付けてくる。
死ぬ!!!!酸欠であたし死んじゃう!!!!
すると………。
「実紗っ!?夕希の顔が青白いって!!」
そんな少し暴走気味の実紗を止めたのは龍雅くんだった。
神様が舞い降りてきたのかと思ったほどにあたしには救いだった。
「えっ!?わっ!!夕希、ゴメンね!?」
実紗はあたしから勢いよく離れた。
その瞬間、肺に新鮮な空気が入る。
「死ぬかと思ったっ…………。」
あまりにも酸欠状態が長すぎてうっすらと目頭に溜まった涙を人差し指で拭いながら龍雅くんを見た。
「夕希ちゃん、大丈夫??」
「うんっ、なんとか龍雅くんのおかげだね。」
あたしは龍雅くんを見て笑った。
「いつでも、助けるよ。実紗と一緒にね。」
そう言う龍雅くんは実紗と一緒にVサインをして笑っていた。
「…………ありがとうっ。」
その2人のさりげない優しさが今の壊れかけているあたしには嬉しかった。