「おーい馬面ー 店長さんが呼んでるぞー」


トイレから帰ってきたゾンビに扮したサークル仲間があたしを呼んだ。

馬面ってひどくないかゾンビ君よ。
まぁ確かに馬面ではあるが。



「店長さんイケメンだよね!あたしあーゆう大人なイケメン超タイプなんだけど!」


そういったのはあたしの正面に座っていた猫耳さんだ。

猫耳さんみたいな可愛い女の子に迫られたら店長イチコロなんだろうなー彼女さんと別れてからもうずっと新しい彼女さん作ってないしなー。



「伝えといてあげるよーん。馬面さんちょっと行ってきまーす」



ずっとあたしの頭を馬面越しに触ってくる隣のイケメントナカイさんの手を払い、店長のもとへ。



お馬さんは足が速いんだから、あんまりもたもたしてると店長さんがお怒りになるわ。



「遅い」

「やっぱりー」



猫耳さんとお話してたせいなのですよ。




「これもってけ。あと頭出せ」



頭?
どっちの頭だ、馬面か本物か。

いや本物って表現もなんかおかしいけどさ。



とりあえず馬面のまま頭を向けると、「ちげーよ」という呟きとともにガボッと馬面を抜き取られた。


そして現れるのはもじゃもじゃ頭のあたしなわけで。



「ふは やっぱもじゃもじゃ」



そう言ってあたしの頭をぐりぐりする店長はなんだかとても楽しそうで、よくわからないけどまぁ何でもいいかという、なんとも楽観的な考えで大人しくぐりぐりされていた。


店長はもじゃもじゃ頭がツボなのか!

今度アフロのヅラとか被ってきてあげようか。