【sidi彩菜】


夜の空は星がない。


はぁ……まるで今の自分と一緒だ……

輝いてるところなんて、どこにも無い。
ゼーンぶ真っ暗ー。

「あーあ。」


ため息をついて、ベランダにヘナッと座る。

ベランダからくる風で、金色の長髪がなびく。

私は今、悩んでいる。
 
それも2つ!!ありえないでしょ!?
女子の体に負担すぎるよ!!潰れてもいいのかコノヤロー(##゚Д゚)!!!!
絶対、黄緑の蛍光っぽいヤツ出てくるよ!!!??
エイリアンvsプレデター的なかんじで!!!!

はっ!!いけない、いけない!!妄想さんが…

私は、フーフーしていた鼻息を止めて、大きく深呼吸をした。

「あーもうヤダーー!!!!!」

夜中だというのも気にせず、ベランダから身を乗り出し、
大声で叫んだ。


大声で叫んだ後は、“シンッ”と静まり返っている。
「ウルセー!!小娘ェェェェェ!!!!」、
って、怒り狂ったオッサンが、私の家に乗り込んできたらいいのになぁー…
あっ、ついでに奥さんも「ガルルルル~」とかゴリラみたいに唸って、
一緒に来たら……
  
  私……死ぬな……(汗)

っ!!、でも2人の子供って……かわいそうに(涙)

「ウッ、グスッ……」

なぜだか、自然に大粒の涙が頬を伝っていた。

きっと、2人が子供を生んだら、おっさんみたいで、体毛の濃い、ゴリラおっさんに…

       キモッ!!!


私が、一人で妄想している中で、ツッコミを入れるかのように
ドアが少しだけ開いた。

「二ャーー」

そこから姿を見せたのは、飼い猫のナナだった。
ナナは、白と黒の模様で、ツッコミ担当。

「あ、ナナ!!」
私は、ナナに手招きをした。

するとナナは、私に頭をすり寄せてきた。

「んーー。やっぱりナナは、可愛いね~~!!」

ナナのお腹に顔をうずめてみる。
あーー!!最高!!柔らかくて、温かいし…癒し系??

するとナナは、立ち上がって、ベランダへと出た。

ナナの後を追って、ベランダにまたヘナッと座る。

「よっこいしょういちっ、と。」

おじさんの様に座り、丸くなっているナナへと視線を移した。

 ナナにでも相談してみるか……

私は夜空に顔を向けたまま、口を開いた。

「ナナって、悩みないでしょ?」

冗談ぽく言ってみても、ナナはピクともせずに、
「二ャーーン。」とのんきに鳴いただけ……

「羨ましいなぁ~~……」

猫にこんな事いうのって、変かも…(笑)


私はゆっくり、口を開いた……