「薪は重いから、やっぱユウトがいるときじゃないと買えないよね。」


絽美は少し後ろを見て、ニヤッと微笑んだ。



「つまりは俺は、荷物持ちね。」


ユウトは呆れた顔をしている。



─そのとき、ユウトの額に、雫が落ちた。


ユウトはそれを確認すると、前を歩く絽美の腕を掴んだ。


絽美が「ん?」といった風に振り向く。


「雨だから、帰ったほうがいい。薪は明日にしよう。待てる?」


「…そうか。」


絽美は一言、呟いただけだった。