「やだ…篤希ったら！」

本気で恥ずかしそうに両手を頬にあて視線をそらす。

まんざらでもない仁美の様子に裕二は目を大きくしてショックを受けた。

「おいおい…そんなコントは止めてくれよ。」

冗談で流せばいいものを篤希の真面目で本気発言に雅之は苦笑いをするしかなかった。

裕二もたまらず勢いをつけて何度も頷く。

「でも篤希は私とはデートしてくれないのよね？」

興奮が落ち着いた仁美は残念そうに呟いた。

「仁美は高嶺の華だからね。」

「残念。」

慣れたようにさらりとかわす篤希に仁美は寂しそうに呟いた。

ヤキモキした会話の終着点に安心した裕二は安堵のため息と共に胸を撫で下ろす。

その時ふと思い付いて口を開いた。

「なあ篤希、絢子のパソコン選び一緒に行ってあげたら？」

「え？」

裕二の提案に首を傾げだのは篤希だけではなかった。

雅之以外、同じ様に声を出して聞き返したようでみんな同じ口の形をしている。