『撮影とかですか…?』
「何を意味の分からない事を言っている‼斬られたいのかぁ⁈」
逆ギレ⁈
いやいや
こっちがキレたぃわっ!
キンッ
男達は刀を抜いた。
え?
どんどん男達が近づいてくる。
私は怖くて、
『やっやめて下さい!』
「うるせんだよ‼」
カンッ
男は竹を斬った。
本物⁈
映画にしては
やり過ぎなのでは…?
男達との距離はどんどん近くなる。
私は後退りをした。
だが、石につまづいて
転けてしまった。
やだ…
斬られる…
そう確信した。
男が刀を振りかざした瞬間
『…………ッ‼』
私はとっさに目を瞑った。
ブシュッ!
目を開くと、
え…?
浅葱色の羽織を来た
髪の長い人が私の前で
男を斬っていた。
鉄の匂いのツンとした感じが
鼻に違和感を与えた。
え?
「しっしっ新撰組⁈」
新撰組…⁇
歴史で聞いた事がある名前。
「お前は土方歳三⁉」
新撰組副長 土方歳三
聞いた事がある名前。
男達は形相を変えて
斬られた男を抱えて
逃げて行った。
なんなの…?
あの匂いは血…?
意味が分からない…。
たくましい背中に
不覚にもドキッとしてしまった。
土方歳三と言われた男が振り向いた。
ドクンドクンッ
彼の瞳はあまりにも
冷めた瞳をしていた。
まるで、光を無くした蛍のよぅな…
彼は刀を私に向けた
斬られるっ…
「逃げるなょ?」
『え…』
「逃げよぅとすれば即座に斬る。」
パタンッ
私は意識を手放した。