目の前であたしを見ながらなにかを考えてるような顔をした。


「1人暮らしだから、ね。」


弱ってるときって、誰かに隣にいてほしい。
例え、なにも話さなくても。
例え、なにもしてくれなくても。


ただ、側にいてくれるだけでいいの。


「だから、ありがとうだよ」


少しだけクラクラする頭をゆっくりと彼に傾ける。
ぽすん、と胸元に収まってそのまま目を閉じる。
 

「少しだけ、このままで………」


人の心臓の音って心地いい。
子守唄みたいに眠りに誘ってくれるの。



ありがとう、隣にいてくれてーーーー




ゆっくりと眠りに落ちていく。
体を優しく撫でてくれる心地良いリズム
優しい、君がやっぱり好きなのーーー。








ふわり、体が持ち上げられて目が覚めた。


「……ん、」

「あ、ごめん……起こした?」


ぽすん、とベッドに運ばれたらしく布団を掛けられる。


「……うう、ん……だいじょーぶ」


ゴシゴシと目をこすって彼をみると優しく笑っていた。体を起こそうとするとさり気なく支えられる手。



その全てに。



とくん、胸が高鳴ってーーー



「……麻由?」


ゆっくりと手を伸ばす。


ーーー例えば、今………


「……っ!!」


すき、だいすき。
貴方自身が気付いていないような優しさが好きだったの。




温かい感触があたしの唇に伝わった。


ーーーキスをするとどうなるのですか。