「ごめ・・・・なんにも・・・・知らなくて・・・・・あたし・・・・・」



目頭が熱くなり、柄にも無く泣き出しそうになった。



「なーに言ってんだよ。なんともないって!てかめっちゃ楽しかったし、お前があん時推薦してくれなかったらこんな快感味わえなかったからむしろ感謝してる」



上半身を起こし、あたしの頭を優しく撫でた。



そんな真哉の優しさが体中に染みてさっきよりも泣きたくなってきた。



「真哉ぁっ!!!」



バタバタと駆け寄る足音と共にあの佐伯梨乃が血相を変えて来た。



「大丈夫!?なんともない!?あーもーっ!心配で心配でマジ見てらんなかったよぉ~」



周りのあたし達が見えてないかのように真哉に抱きついた。



「大丈夫だって!なんともねーよマジで。な?だから心配すんな!みんな大袈裟すぎ!」



真哉は嬉しいような困ったような顔して笑った。



抱きついていた佐伯梨乃がクルっとあたしの方を見た。



いや、見たというよりは睨んだ。