皐月は学校を辞めたがったけど
俺が一生、皐月といるために、と
高校くらいは卒業したいと言うと、
納得してくれた。

学校で何があっても俺達は一緒。
家でも一緒。


俺の手首の傷は、あの日以来、増えていない。
これも皐月のおかげだ。

「樹、何考えてんだよ?」


怒りを含んだ皐月の声。

「は?お前のこと以外に何があんの?」


そういうと皐月は
嬉しそうに微笑んだ。


確かに俺らは普通じゃない。
でもそれで俺達は幸せなんだ。