「…それで、また、樹の話に戻るけど
手首の傷の原因は、愛情だ。
お前は、普通に両親からの愛情を受けてきた。
だが、お前は足りないんじゃないのか?
お前が求めているのは、
永遠に変わらぬ絶対的な深い愛情。」
皐月の言葉を聞いて、
俺は不思議と納得した。
胸のモヤモヤが、
ストンと無くなるのが分かった。
「…俺は、ずっとお前が好きで、
最初は戸惑ったけど、
もう抑えるのも隠しているのも、限界。
なぁ、樹、俺はお前の求めているモノを
与えることができる。
だから、だから、……」
もう、手首なんかを切って、
俺は少なからず、普通じゃない。
今さら、普通なんていらない。
それに、もう、心ん中じゃ
答えは出てるじゃないか、なぁ?