俺は素直に、皐月の隣に座る。

「で?何だよ、皐月?」

「お前、とりあえず俺の話、全部聞け。」

皐月がいつになく真剣な表情で言うので
俺も茶化したりせず、頷いた。

「お前、手首、大丈夫か?」

俺はその言葉でまるで
雷に打たれたかのような感覚に陥る。
顔も強ばっているだろう。

な、んで?
何で知ってんだよ?

言葉にしたいのに、声が出ない。


「ごめん。知ってたのに黙ってて。」

皐月はいつから、知っていたんだろう。