あたしと同じ、蒼花の制服を着ている。

「あたし櫻井 彩!寝坊しちゃったんだよね~!あなたの名前は?」

サクライアヤカと名乗る彼女は、あたしより背が高いのに、無邪気で可愛い。

「あ、美並 実果…」

「実果ちゃんかぁ…!あたしのことはアヤカでいいからね」

少し彩と喋っていると、いつの間にか電車が到着していた。

「あ!実果ちゃん、乗ろっ」

彩は、あたしの手を引っ張り、電車に乗り込む。

一方、人見知りのあたしは、少し戸惑い気味。

なっ子たちとなら、慣れてるから、普通に会話したりバカやってふざけたり出来たんだけど…。

初対面の子って、やっぱりなんかダメ。

「ねぇ、実果ちゃんは何で蒼花にしたの?」

彩は唐突に質問してきた。

「えっ、と…まぁ、色々あって……」

ぎ、ぎこちなっ!

自分の言葉に、自分ツッコミを入れたあたし。

「そっかぁ♪でも蒼花いいよねっ」

「うん。彩は?」

あたしは彩に質問を返した。

「あたしはね……夢を追いかける人に着いてきた」

夢を、追いかける人…?

「か、彼氏とか?」

「そっ、彼氏♪」

満面の笑みで答える彩。

彩は恋をしてるから、こんなに可愛いのかな?

「てか、実果ちゃんはいないわけ?」