『いい出会いがありそう!大きなチャンス到来!?』
いつの間にか朝ご飯を食べる手が止まり、占いに釘付けになっていた。
『ラッキーカラーは…』
…オレンジ。
入学初日に占いが1位とか、本当にいいことありそうじゃない?
あたしは淡い期待を抱いた。
みんな楽しい人たちだといいなぁ。
やっぱり…誰も知ってる人いないと、すごい不安だ。
いまさら心配になってきた。
まぁ、せっかく頑張って勉強して入れたんだから…
無駄にはしたくない。
あたしは蒼花で頑張るんだ!
テレビの電源を消し、朝ご飯を食べかけのまま、リビングを出た。
部屋に戻り、制服の目の前に立った。
真新しくて、きちんとした制服。
蒼花の制服は、淡い水色のタータンチェックのようなスカートに、黒のジャケット。
リボンもスカートと同じ柄。
ジャケットの胸についてる校章も、やっぱり蒼花らしくて……。
あたしの心は嬉しさと期待で、不安と心配はほとんど無くなった。
着ていたパジャマを脱ぎ、制服に着替えた。
新品って、やっぱり着なれない。
あたしはクローゼットから、等身大の鏡を取り出した。
あたしが…蒼花の制服を着てる…。
そう思いながら、自然と笑みがこぼれていた。