それから数日後
奏にケータイにメッセージ音が鳴り、こう書かれていた

"今からそっちへ向かう。待ち合わせ場所と時間の連絡よろしく"

「ずいぶん急だな…。ま、仕方ないか」

そうぼやきながら待ち合わせ場所と時間の返事を打つ
久しぶりに家にいるためゆっくり出来るかと思ったら案の定これか、なんて思いながらも準備をして家から出る

そしてバスを乗り継いで移動する

「……この辺でいいかな」

奏が降りたのは第九地区だ
第七地区より遠いが人目を気にしてわざわざ移動してきたのだった

そして近くにあるレストランに入り待ち合わせをしている人物を待つ

「あの、ケーキセット一つお願いします」

「飲み物はなにに致しますか?」

「オレンジジュースで」

「かしこまりました」

近くにいた店員を呼び待ってる間に軽くなにかを頼むことにした

外は曇り空が一つもない晴天
お店の前をいろんな人が行き交う何もない穏やかな日々

「…………」

(平和…。この平和がいつ壊されるか分からないのに…)

ぼんやりしているとケーキセットが運ばれてくる
それから数分後にカランとお店の鈴が鳴る

一人の青年が奏の元へ歩いて来て声を掛ける

「おまたせ」