「あー、大した話じゃねえよ。魔法見せてってせがまれたんだよ」

あはは、と苦笑いをする
一人っ子の悠太は特に子供が好きというわけじゃないが何故か相手をするのが上手かった

それは遠目から見てた奏もなんとなくそう思った

「篠原くんが魔法使ったところ、ちゃんと見た事ないわね」

「それはお前もだろ?お互いクロやウルを召喚してる以外見たことないのは」

「そうね…」

そう言うとおもむろにケータイを取り出し誰かにメッセージを送る
それを見た悠太は「洸さんにか?」と言うと否定する

奏は「秘密よ」と言って教えることは無かった

「ま、いいけどよ。オレこっちだからお前気を付けて帰れよ」

「えぇ。篠原くんもね」

「あと、なんかあったら呼べよ。お前無茶しそうだからな」

その言葉に一瞬驚くがすぐにフッと笑い「気が向いたらね」と憎まれ口を叩く
そんな奏にもだんだん慣れてきた悠太であった



***

その頃第零地区にあるとあるアジト内にて一人の青年がパソコンと向き合っていた
そのとき近くにあった端末にメッセージが入る
そこには……

"近いうちに逢えない?お互い現状報告も兼ねて"

と書かれていた
それを見て返事を返すのだった……