でももしかしたら彼女と行動すれば何か分かるんじゃないかと思い「わかった。一緒に行く」と二つ返事で返す
その返事に奏は頷くと再び歩き出す
それに着いていく悠太
「なあ、水城」
「ん?」
「……黒羽の事件片付いたらお前どうするんだ?」
「どうって…考えたこと無いわね」
悠太の質問にケロッと答える
奏は今のことで精一杯な状態だ
自分の体のこともMEEOのことも魔法都市がこれからどうなることも…
いくらあの事件がきっかけで予知能力があってもそれで完全に未来が視れるわけではない
「そか」
「でも、未来がどうなるかなんて分からないしその時はその時よ」
「そう、だな」
そんな些細な会話をしているとピタリと止まる
それに釣られて悠太も足を止める
二人が来たのはとある児童施設だ
「"四つ葉園"?」
施設の看板を読み上げる
"四つ葉園"
それは奏が幼い頃に育った施設だ
悠太は奏が施設で暮らしていた話を思い出した
「ここ、あたしがあの事件が起きて弥生さんに引き取られるまでいた場所。7歳くらいまでしかいなかったけど」
「なんでまたここに?」
「夕紀さんもたまに来てたのよ」
奏はふっと柔らかく笑う