もちろん希望があれば能力も魔法も持たない一般人すら実験対象になる

なぜ、どうして、あんな研究をすらことになったのか

問い正したいことはたくさんあるが奏は一気に話を聞くつもりはなかった

「…………」

なぜなら碧人がいま"こちら側"の人間だからだ

彼自身、罪滅ぼしのために奏たちの協力者になっている
朱理と会わないのも彼が決めたことだ

「碧人さん。あなたは必ず朱理に合わせてあげる。……いつになるか分からないけど朱理は元気にしてるから」

「ありがとう。朱理がキミの元に居てくれて良かった」

「じゃあそろそろ行くわ。一応忙しい身だからね」

「ありがとうお嬢さん」

奏は碧人と一時間ほど話して出て行く
長い廊下から出ると先程いた見張りに「ご苦労さま」と労り最上階から出る

碧人自身最上階にある特別部屋で悪いことをすることもなく見張りも気絶させて脱出はいつでも出来る

だが、どうしてそういうことをしないのかは奏を信頼しているからだ

「お嬢さん…朱理を頼んだよ」

彼の願いは朱理と同じだ
お互いを見つけ出しまだ1からやり直すこと

奏もそれを叶えるために動いている途中なのだ