そして、隣を歩く正紀の足が止まって、続いてあたしたちの足も自然と止まる。
「正紀だってまだ莉子のこと、好きでしょ?」
咲奈の言葉に正紀は真っ直ぐあたしを見たまま「あぁ」と掠れた返事をした。
あたしだって、まだ、
咲奈が好きだよ。
「やっぱり、可笑しいよね。何も変わってないし、何も終わってない」
咲奈だって、正紀だって、あたしだって、
可笑しいって分かっていた。
でも、終わりが見つからなくて。
終わらせ方が見当たらなくて。
結局まだ、ずるずると引きずったまま。
削れてすり減ることなんてないのに。
想いを今もぶら下げたまま。
相変わらず、三人並んで歩いていた。