ーーーそれから、数ヶ月。 あたしたちは、まるで何もなかったみたいに、 互いに想いを知らなかった少し前のあの頃に、 戻ったような時間が流れた。 これでいいのかな? そう思っても、なにかするわけもなくて。 だからといって、咲名への気持ちが、 薄れることも残念ながらなかった。 気付けばもう、学校の周りの桜が蕾を作っている。 咲奈に一目惚れした季節に、なろうとしているんだ。