もう、この病は末期なんだから、
止まらないなら、突き進もう。
「窓際の前から二番目。外は桜の花びらが飛んでいて、それを背景にして咲奈が座っていた」
絵を、見ているようだった。
ずっと眺めていたかった。
「友達になりたいなんて、思ったことはない。ただ、側に居たかった。側にいていい関係になりたかった」
一歩、咲奈に近付く。
もう彼女を傷付けないように。
大切に、壊れ物を扱うように、慎重に。
それは出会ったばかりのあの時みたいに。
「初めて声をかけた時ね、凄く凄く、緊張してたの。近くで見るともっと綺麗だったから」
一歩、また彼女に近づいて行く。
「慎重に少しずつ、近付こうってそう思ってた」
でも、咲奈はすぐにあたしに笑ってくれた。
そして、よろしく、って。
あぁ、今でも思い出して、胸の奥が熱くなる。
恋した瞬間のあの衝撃。
「あたしが可笑しいのは分かってるの」
でも、お願い。
この気持ちを否定しないで。
どうか分かって欲しい。
「それでも、咲奈が好き」
このどうしようもない恋心を。
「好きです」
どうか、目だけは逸らさないで。