あぁ、思い出した。
あたしが咲奈を好きだって、正紀に伝えた時。
あの時も、しゃがみ込んだあたしを抱きしめて言っていたね。
『お前を幸せにしてくれる奴は絶対に居る』
俺や、咲奈以外に。
って、今ぐらいあったかい熱とあったかい声で伝えてくれたのに。
あたし、忘れてたよ。
あたし、逃げてたね。
好きな人も、幼なじみも泣かせて、傷付けて。
それなのに、あたしは傷付くことを恐れてる。
「咲奈…あたしね、」
あたしだって、傷だらけになろう。
血まみれになろう。
それで死んでしまっても構わない。
「あなたに、一目惚れでした」