このまま、二人で。
「あたしね、莉子のこと好きだよ。いっぱい笑わせてくれるし、いっぱい笑ってくれる」
「咲奈、あたし…」
叶わない願いだけど、
このまま二人で。
「だからね、正紀が莉子のこと好きになるのも仕方ないなって…」
「……………え？」
今、なんて？
あたしはゆっくり咲奈から体を離し、恐る恐る顔を上げた。
咲奈の顔を見るのがこんなに恐かったのは初めてだ。
「あたしは正紀を好きになった時から、正紀の幸せしか願ってないの」
「……まっ…てよ、咲奈」
「だから、正紀のこと幸せにしてあげて？」
「……っ！！」
どうして…どうして…。
どうして、こんなに好きなのに、
どうして届かない。
